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2025/03/26 10:46
こんにちわ!革職人の小堀です。
今日は当店がメインで使用しているレザーについて解説したいと思います。
世の中にあるレザーをざっくりですがジャンル分けすると、以下の2種類に分類されます。
(たくさん種類があるけどわかりやすく言えば)
①タンニン鞣しレザー
②クロム鞣しレザー
それぞれの特徴があります。
①タンニン鞣しレザーの特徴
・経年変化(エイジング)が楽しめ、使い込むほどに色や艶が増して風合いが育つ。
・植物の樹皮などに含まれるタンニン(渋)を鞣し(なめし)剤として作られる。
②クロム鞣しレザーの特徴
・製品になる前の「革」の状態が一番きれい。
・経年変化は楽しめず、商品になり使っていくうちに老化していく…門がすれたり、味わいにならず汚れていくケースが多い。
タンニン鞣しと、クロム鞣しの違い
そして染色方法に違いがあったりします。
タンニン鞣しは基本的に染料、そしてクロム鞣しは顔良です。
顔良はペンキのようなものを想像してもらえるとわかりやすいです。
革の上に粒子が大きなペンキで色をつければ傷は綺麗に隠れます。
ただ、ペンキのようなものなので素材の革の素材感が塗りつぶされる為に飴色になって艶が増したりはしません。
染料は粒子が細かいので、革に浸透するように、革本来の素材感が失われず染まっていきます。
だから経年変化が楽しめる分けですね。
ただデメリットもあり、素材感が残る故に牛さんが生きていた頃の虫刺されや血管の跡などが残ります。
これがナチュラルマークと呼ばれるやつですね。
ちなみにですが、合皮やPUレザーなんてモノもよく見かけるかと思いますが、これは残念ながらレザーではありません…
ポリ塩化ビニール、PU、ポリエステル、ナイロンなどの素材で作られた「レザーっぽく見える別モノ」です。
こちらは買った時の見た目は綺麗かもしれませんが、数年経ってくると加水分解が始まることが多いです。
加水分解とはどんな現象かと言うと、素材のポリウレタンやPVC(ポリ塩化ビニール)が空気中の水分と化学反応を起こしてベタベタしたりボロボロになります。
昔に比べてどんどん質も上がっていますが、合皮やPUレザーで作られた製品はそんなに長くは使えないと思っておいた方が賢明です。
もちろん経年変化も楽しめません。

当店で使用している革
当店でメインで使っている革は、フルタンニンなめしのヌメ革(牛革)です。
染色されていないヌメ革を半裁(牛さんの体半分)の状態で仕入れし、工房で手染めしてその後オイルアップして使用しています。
ヌメ革はとてもスタンダードな革ですが、型崩れしない程よい硬さがあり、オイルを入れる量を調整することで柔らかくもできる。
色々使ってみた結果、結局ヌメ革に戻っていくる…そんな革かなと思っています。
時々、スポット商品としてヌメ革以外の革を使うことがありますが、基本的には経年変化が楽しめる革で、上質な革のみを仕入れて使用しております。
長く愛用できるアイテムであることをお約束します。
長い文章を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
FALL OUT GIRL 小堀